遮熱シートのウソホント(上)
住宅業界あるあると言える、まるで魔法のような遮熱シートの効果。その多くが、これさえ導入すればすべて解決!と言い切らんばかりの勢いですが、実際どうなんでしょうか?NASAが開発、とか、どうしちゃんたんでしょうか。
上・下2回に分けて解説しようと思います。
遮熱シートの効果について考える前に、「熱」そのものがなんなのか、説明します。そもそも、熱の伝わり方は3つあります。というか、3つだけです。「伝導」「放射」「対流」。
物質は、原子が集まってできています。例えば鉄の棒があったとします。鉄の棒は、鉄の原子が集まったもの。原子という小さな小さな粒が集まったものです。そして、「熱」というのは「原子」の振動(震え)です。
■伝導
上の図のように、隣り合った原子に震えが順次伝わっていくことです。ジワジワと、少しずつ熱(震え)が伝わっていきます。例えば鉄の棒に熱がジワジワ伝わっていくようすを考えます。
↓鉄の原子が集まったもの、ということを説明する図
原子同士がバネでつながっていて、振動が徐々に伝わっていく、といった絵で示すこともあります↓
■放射
原子は振動すると電磁波を出します。目に見えないビームのようなもの、と考えてください。このビームはエネルギーが続くまで遠くに遠くに届きます。一方で、見えないビーム(電磁波)を受けると、原子は振動します。見えないビームでそのエネルギーが伝わっていくのが放射です。
■対流
一定の熱を持った気体の塊や液体の塊が移動した結果、熱も移動していくことを対流と呼びます。
熱の3つの伝わり方「伝導」「放射」「対流」がある、ということが分かったところで次回に続きます。遮熱シートはどのような熱の振る舞いを起こさせるのでしょうか。今回のまとめはこれ。
熱ゴロウ
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