暖房機の種類と特徴(その1)
前回示したように、暖房機器にはいろいろあります。そして、乾燥の犯人は暖房機器と言うよりも、外気に水蒸気が少ないことがそもそもの原因でした。とはいえ、暖房機器それぞれに特徴があり、乾燥を感じやすいものや、実は水蒸気を出してくれるようなものまであります。
今回は、各暖房機器の特徴をまとめようと思います。
まず、暖房機器には、部屋全体を暖める(=暖房)ことを目的としたものと、個人が暖を取る(=採暖)を目的としたものに別れます。上記で言うと、石油ストーブ、エアコン、床暖房が「暖房機」で、部屋全体を暖めることを目的としたものです。
電気ストーブと電気カーペットが「採暖」のための機器になります。部屋ではなく、人そのものを暖めることが目的になります。
この中でもちょっと特殊なのが「石油ストーブ」です。他の機器と異なり、石油ストーブは水蒸気が出るんです。そして他の機器は熱を出すだけ。暖めるだけ。それで十分ですけども。
なんで水蒸気?と思われるかもしれません。それは、灯油を燃やすからです。灯油と酸素を合わせて燃やしたら、二酸化炭素と水が出るんです。
そして、灯油1リットルを燃やすと、なんと1.13リットルの水蒸気が出るんです。思ったよりもずっとたくさんの水が出ると思いませんか?石油ストーブを炊いている部屋が乾燥した感じにならないのは、そういうことだったんです。そして、煙突の付いてない、ガスや灯油を燃やすタイプの暖房機は、全部同じように水蒸気が出ます。
冬の乾燥を避けたいなら水蒸気出すやつでいいじゃん!と思う人もいるかもしれませんが、そう簡単にいきません。二酸化炭素があるんです。そして、不完全燃焼すると、一酸化炭素が出てしまうんです。二酸化炭素はその濃度が高くなると、ボーッとしたり、眠くなったり、だるくなったりします。一酸化炭素になると危険で、最悪の場合死に至ります。
石油ストーブにこんな記載があるのは、二酸化炭素、一酸化炭素の危険性を喚起するためです。1時間に1〜2回、窓を開けよと。じゃないと死んじゃうよ、と。でも、そんなことしたらどうなります?寒〜い外の空気が室内にドバドバ入ってきて、一気に外気温と同じ(5℃とか)になってしまうわけです。どんなに頑張って暖房してても、です。
結局、燃焼後のガスを室内に充満させるわけで、室内の酸素をドシドシ消費し、二酸化炭素をどんどん出し、さらには一酸化炭素(空気中に1%あるだけで死に至る)が出てしまうような暖房機をメインの暖房機にするのは、あまりにもリスクが高いので、避けるべきでしょう。
それ以外の暖房機、エアコン、ホットカーペット、床暖房、電気ストーブ、etc…を使って暖を取りながら、加湿器で加湿するのが良いと思います。
ということで今日の結論は、
次回は、ランニングコストと使用感の観点から比較してみます。
熱ゴロウ