「オール電化 = 安い」は過去の話?
結論から言えば、「オール電化」は今でも安いけれど、今なら他の選択肢もある、です。
オール電化のウリの一つは「ランニングコストが安い」ことでした。電気代がジワジワと上昇している今でも「ランニングコストが安い」は未だ健在です。しかし、オール電化一択ではなくなりつつあるんです。
資源エネルギー庁がまとめているエネルギー白書2018をもとに、各家庭の消費エネルギーをみてみます。
この数字は、消費エネルギー量をジュールという単位で示しています。日常に無い単位なので、数字を見ても直感的には分かりにくいと思います。そこで、誰でもわかる「お金」に換算してみます。
ここで、下記3パターンを考えます。
①オール電化住宅
②ガス併用住宅(1)(エコジョーズ)
③ガス併用住宅(2)(エコワン)
オール電化住宅とガス併用住宅の差は、給湯器と調理器具です。冷房、暖房、動力・照明はオール電化でもガス併用でも、機器は同じで変わりません。本来はオール電化プランの深夜電力料金と昼間の電力料金の差を考慮すべきですが、今回はちょっと乱暴に、機器が一緒なら同じ料金になる、と仮定して計算します。
給湯器がエコキュート、調理器具がIHクッキングヒーターの場合、オール電化になります。ガス併用住宅では、調理器具はガスコンロ。給湯器はいろいろありますが、今回は「エコジョーズ」と「エコワン」を考えます。
①オール電化住宅
安い深夜電力を使い、高い効率でお湯を作るエコキュートが、家全体の光熱費を抑えてくれます。2000円/月程度。一方、IHクッキングヒーターはランニングコスト対決をすると負けます。ざっくり2200円/月。
②ガス併用住宅(エコジョーズ)
IHクッキングヒーターが2200円/月だったのに対し、ガスコンロは1600円/月程度。ちょっとお安いんです。がしかし、給湯にお金がかかります。月々4800円。
③ガス併用住宅(エコワン)
ガス併用住宅の切り札、エコワンを使うと、エコジョーズに比べランニングコストが抑えられます。2300円/月くらい。
以上を表にまとめるとこんな感じ。
※エアコンCOP=5、エコワンヒートポンプCOP=6、エコキュートCOP=2.4で計算
オール電化、ガス併用のランニングコスト差のほとんどが給湯器で決まります。ガスが高いってイメージを持っている人が大半だと思いますが、昔から使われているガス給湯器や、それがちょっと高効率化したエコジョーズでは、イメージ通りランニングコストが高いです。
大切なのはここからで、エコワンを導入すれば、オール電化と同等かそれ以下のランニングコストに抑えることが可能なんです。
エコキュート、エコワンの金額やガスの単価によっては上記のような計算結果にはならないこともありますが、一度細かに検討するとよいでしょう。
熱ゴロウ
真空管式の太陽熱温水器を地上設置して、ミキシングバルブを通してエコジョーズに繋いでいます。
補助金も戴いた結果、温水器導入と配管接続に25万円位でした。
毎日 ガス乾燥機を使用していますが、月平均4500円位のガス代です。
真空管式ならば、太陽熱温水器もありですよ!庭が多少狭くなりましたが。
真空管式の太陽熱温水器、良いですね。
仰るとおり、土地に余裕のある方なら良い選択肢だと思います。
日射を十分取得できる土地、という条件を満たすのはなかなか難しそうでもあります。
いつも楽しく拝見させて頂いております。
ちょうど給湯機器の買替(11年目)を検討中なのですが、
エコキュート・エコワンで迷っています。
工事込みでも価格差が殆ど無いんですが、
気になる点が・・・。
見積を取っているのはエコキュートは460L、
エコワンは160Lの湯量なのですが、
エコワンだと毎日沸き増しが入らないのでしょうか?
現在5人家族で現在使っているエコキュート460Lでも、
毎日残り1~2目盛りまで使っています。
プロパン地域ですので毎日沸き増しするとなると、
どっちが得なのか解りません。
因みに調理はガスなので、電化住宅ではありません。
アドバイス頂けないでしょうか。
まず、エコワンとエコキュートは仕組みが異なるため、エコワンにエコキュートのような「沸き増し」はありません。
24時間いつでも都度お湯を沸かし、100Lや160Lのタンクにお湯を一時的に貯め、そこを使い切ったら、補助熱源のガス給湯機能で補う、という仕組みです。ただし、電気でお湯を作るときの効率がエコキュートよりも高く、昼間の電気を使っても給湯費が高額にならない、というのが特徴の一つです。
対してエコキュートは、安い「深夜電力」で沸かしたお湯をタンクに貯めて、基本的に昼間はお湯を作らず、タンクを使い切るという最悪の場合にのみ時間をかけて「沸き増し」する、という仕組みです。
仕組みを理解することにどれほどの価値があるかは分かりませんが、導入費用が同じならば、ランニングコストはエコワンのほうが安くなるでしょう。