高断熱なわが家なので、
室温のコントロールは比較的容易です。
ちょっと熱を加えれば室内は温まるし、
ちょっと熱を除けば、室内は冷えます。
でも、外の環境が程よい時期、春や秋には、
機械による室温調節ではなく、おもいっきり外気を取り込みたいです。
その時に大切なのが、通風計画です。
今回は、高垣邸では通風計画をどう立ててるか?の話です。
よくあるのは、卓越風に対応させて窓配置を考える、というやつです。
「卓越風」というのは、
ある特定の期間(季節・年)に吹く、最も頻度が多い風向の風
のことです。
上の図は、愛媛県松山市の風配図、というやつで、
この図を見ると、松山市は、
昼間は年中ほとんど西北西から風が吹いてきて、
夜は年中ほぼ完全に東南東から風が吹く、ということが読み取れます。
なんでこんなことになるのかというと、、、、
まず、瀬戸内海って、その周囲を山々に囲まれていて、
大規模な循環の影響を受けにくい環境にあります。
そんな中で、松山市の風に影響をあたえるのが、局地的な温度差です。
松山市は、西側はだいたい海です。
東側は陸、というか山です。
日が出ると、海は温まりにくく、山は温まりやすいので、
海から陸へ向けて風が吹きます。
日が沈むと、海は冷めにくく山はすぐ冷めるので、
山から陸へ向けて風が吹きます。
これです。
松山市は、海風山風と呼ばれる風が支配的なエリアなんです。
これは、10年住んでの実感と一致しています。
もう一つ大切な風の特性は、
地表面付近の風は、道を通る、ということです。
例えばこんな分譲地を考えます。
西風(海風)が吹いているときは、風はこんなふう(赤矢印(小))に道を通る、
と思っています。
※実際、だいたいこんなふうになってますのでご安心を。
地域の気象条件から、家の周囲の風にまで具体的に落とし込めば、
あとはそれを設計に活かすのみ。
ということで、わが家。
やるべきことは、
・昼は海風、夜は山風を捕まえられるようにしておく
・風がない日も室内の熱気が抜けるようにしておく
くらいでしょうか。
む、たいしたことない。。。。
寂しい結果になりましたが、まあいいです。
検討したことが大切。
場合によっては検討したからこそ見えてくることもあります。
(今回は無かっただけ、と言いたい)
気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
熱のゴロウ(高垣 吾朗)
コメント