遮熱シートのウソホント(下)

前回の「遮熱シートのウソホント(上)」に引き続き、今回は遮熱シートがどのような熱の振る舞いを見せるのか、解説しようと思います。

前回の「伝導」「放射」「対流」のうち、遮熱シートが防いでくれるのが「放射」です。見えないビームを防ぐのが、遮熱シートの役割です。

さて、遮熱シートなるものはどこに施工するものかといえば、壁の中です。

一般的な木造住宅の壁は、こんな感じです。黄色いところが断熱材。この図では左側が室内、右側が外です。右側から太陽の熱がやってきて、一番右端の外壁に直接太陽が当たります。場合によっては外壁が直射日光で60℃くらいまで温まってしまいます。温まった外壁は、内側の通気層と外の屋外に向かって放射熱を出します。

通気層から、まさに壁の中に熱が入るその直前に遮熱シートを施工します。遮熱シートが防いでくれるのは「60℃に温まった外壁材が出す放射熱」です。それだけ。それ以外は特に何もしません。その放射熱がどのくらい出るか?が分かれば、遮熱シートの効果がほぼわかる、ということになります。

これ以降はメンドクサイ話になるので、読み飛ばしてください。読むのは結論だけでいいと思います。


家の断熱性能を計算するときに使う数字に、実は放射熱が隠されてます。通気層の熱の伝え難さを示す数字として、熱伝達抵抗というものがあり、通気層の熱伝達抵抗は「0.11 ㎡・K/W」となっています。この「伝え難さ」の逆数は「伝えやすさ」を示し、熱伝達率、と呼ばれます。逆数なので、1/0.11 = 9.1。このうち、放射が4.7、対流が4.4、と内訳が決まっているんです。

このうち、放射熱が完全に遮られるとしたら、放射の熱伝達率分は無くなるので、4.7が消えます。すると、対流の熱伝達率4.4のみが残ります。4.4の逆数が0.23。熱の伝え難さは、対流成分だけ考えると0.23となります。

対流のみの熱伝達抵抗が0.23。対流、放射を合わせた通気層の熱伝達抵抗が0.11。その差は0.12。これが、放射成分だけを考えた熱伝達抵抗になります。


「0.12」という数字だけ見ても分かりにくいので、断熱材に換算すると、一般的な断熱材、グラスウール16k 5mm弱ほどの効果です。遮熱シートが熱を防ぐ効果は、わずか5mmのグラスウールほど、ということになります。薄い!

劇的な効果がある!なんて言っちゃう人、何を根拠にそんなことを、、、と思えるくらい、効果薄です。いや、劇的に効果を感じることができる環境があるはず、と考え、調べてみました。

調べてみて分かったこと。それは、断熱性能が低ければ低いほど、遮熱シートの効果が大きくなるってことでした。断熱等級4を超えると、遮熱シートの効果は数%に限られてしまうんです。

断熱性能が極めて低い環境に限り、遮熱シートが絶大な効果を示す、ということは、遮熱シートを信奉する方、あなたの手がけてる家、※注:高垣ではありません

ゴロウ

g-takagaki@collabohouse.info

 

 

 

 

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