快適な家3原則(設計編)
前回までの記事、快適な家3原則(気密編)、快適な家3原則(断熱編)で示してきたのは、熱を期待通りにコントロールするための器の重要性でした。器(家)に穴が空いていれば空気が漏れて計画通りに換気ができないし、意図したとおりに部屋を暖めることもできません。器(家)から熱がジワジワ滲み出てしまう(熱が逃げる)断熱性能では、上下温度差が大きく、家全体の平均室温が下がってしまいます。
気密、断熱を確保することでそれら問題点が解決され、快適空間により近づくことができます。
さて、熱を漏らさず、空気を漏らさない家が準備できたら、最後に気をつけるべきポイントは設計です。
夏の暑い時期、8月15日頃の12時頃、リビングの掃出し窓に到達する熱量は1500W。真夏の暑い日に電気ストーブの全力熱量が窓のすぐ外まで来ている、ということになります。さすがに暑い、いや、もはや熱いです。
ガラスの性能で30%程度の日射が防がれるので、1500Wの70%でほぼ1000W。部屋の中に電気ストーブ1台が置かれた状態です。イタズラでもやめて欲しいですね。さて、断熱性能の低いスッカスカの家では、1000Wの熱が入り込んできてもそれなりに熱が外に逃げてしまうので、灼熱地獄になる前に室温上昇が止まります。そんな訳で、夏の直射日光を室内に遠慮なく取り込んでも、むかーしむかしの無断熱な家ではそこまで大きな問題にはなりませんでした。
時代は変わり、断熱性能が高い家が当たり前になりつつある今、熱を逃がしにくい家で夏の直射日光を遠慮なく取り込めばはどうなるか、想像つきますね。もはやサウナです。(蛇口から出る水 = 窓から入ってくる熱)
では何ができるか?
直射日光が窓に到達する前に遮ってしまうんです。それが夏の軒・庇の役割の一つです。
設計として配慮すべきポイントの一つとして、南面の窓から直射日光がバシバシ入ってきてしまうような間取りはやめるべきでしょう。もし、軒・庇がつけられない事情があれば、それに替わる方法を採用することが必要です。
熱ゴロウ