快適な家3原則(気密編)
「快適な家に住みたい!」
「快適な家を建てたい!」
家を建てる人皆が思う事だと思います。
では、そのために何をすればいいのか?
そこを悩んだ末、『NASAが開発したとかナントカいう怪しい遮熱シート』や、『塗るだけでどこもかしこも快適になる塗料』にたどり着いてしまったりします。ああ。こちらもNASAによるものだったりしますね。
まず、そういったものに惑わされるのはやめましょう。
「快適な家を建てる」に対する答えはもっと単純でもっと骨太。3つのルールがあります。
「気密」
「断熱」
「設計」
この3つを正しく満たせば、家は快適になります。普通で当たり前な答えに見えるかもしれませんが、とても大切です。
今日から全3回で、「気密」「断熱」「設計」の各要素を説明しようと思います。
まずは「気密」。
気密の意味を理解するために、気密が確保されていない場合にどんな事が起きるのか、考えてみます。「気密」が確保されていない家の場合、つまり、スキマだらけの家の場合に困るのが、2点です。
・スキマ風
・換気
気密の低いスキマだらけの家でスキマ風を感じるのは想像できると思います。しかし、「スキマ風」がどんな風か?と聞かれたら、どう答えますか?外の冷たい風がスキマを通って入ってきたもの、みたいなイメージを持っていませんか?
空気は、暖めると軽くなります。これは「暖房機の種類と特徴(その3)」でも書きましたね。気球がその良い例です。
室内を暖めると室内の空気は軽くなり、上へ上へ行こうとします。家の上側にスキマがあれば、暖められた空気はそこから外へ出ていきます。と同時に、家の下側のスキマから、外気が入り込んできます。
これが「スキマ風」です。
スキマ風を感じて寒いから、暖房をもっと強くします。すると、部屋の空気はもっと暖められます。より暖められた空気は、より軽くなります。すると、、、
そう。スキマ風はもっと強くなります。
部屋を温めれば暖めるほどに、スキマ風は強まるんです。
と、ここまでが気密の低い、スキマだらけの家の場合の現象です。部屋を温めるほどに寒くなるような家にしないためにも、高い気密を確保しましょう。
目安は、どんなに悪くともC値で 1.0 [c㎡/㎡]以下。0.3 〜 0.6 [c㎡/㎡]くらいは確保したいところです。
もう一つ、気密が低いことの影響が出てくるのが「換気」です。
ストローを思い出してください。
穴の空いたストローでは、頑張って吸っても穴から入り込んだ空気を吸うばかりで、ジュースを飲むことはできません。気密の低い家で換気(1種換気)しようとしても、近くに空いた穴から入り込んできた空気を吐き出すだけで、一向に換気されません。
汚染された空気(オナラとか、二酸化炭素とか、etc…)は、いつまで経っても外に出されないので、いつまでも生活臭が消えません。
もう一つ、換気が計画どおり行われない場合、人の呼気や給湯、調理によって出る水蒸気も、室内に留まり続けることになります。室内に水蒸気が留まり続けると、結露が起きやすくなってしまいます。結露をしないようにするためには、窓の断熱性能を高めるだけではなく、生活で排出される水蒸気が計画的に排出されるよう、高い気密性能を確保することが重要なんです。
高い気密性能を確保すれば、室内を温めてもスキマ風が強くならず、生活臭を抑え、窓が結露するリスクを抑えることができます。
熱ゴロウ
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