続・続・窓の変更は得か損か?

シミュレーション

前回、前々回の記事に続き、第三弾。

第一回では「窓の変更にメリットが無いかも」などと言いつつ、
では何もしなければ損をしないかと言えばそうでもない第二回
大切なのは、正しい知識をもって検討すること、と思い至りました。

そして窓においては、南面は日射遮蔽タイプのガラスを入れない、
という鉄板ルールが出来上がりました。@愛媛

地域差が気になってきたのでまた後ほどやってみますが、
今回は、南面開口の面積とその影響です。

先に結論をちょろっと言うと、
夏は開口面積が大きくなれば冷房費が増えますが、
冬、高断熱の場合は、開口面積が大きくなるほど暖房費が下がります。

以下、細かな話を綴ります。お付き合いください。

壁は、窓よりも更に顕著に日射を入れない部位ですし、
窓とは比べ物にならない程に熱抵抗の大きい部位でもあります。

窓の種類の違いどころではない明確な差が出るのでは?と考えています。

今回比較したのは、断熱性能が

 ・ZEH相当(樹脂サッシ/断熱Low-E)
 ・断熱等級3相当(アルミサッシ/ペアガラス)

の2パタンの家で、開口部の大きさが

 ・7280 x 2400
 ・5460 x 2400
 ・3640 x 2400
 ・1820 x 2400
 ・開口なし

の5通り、合わせて10通りのシミュレーション結果です。

間取りも何もあったもんじゃないようなただの箱に、
南面だけに開口を作って、
断熱性能と開口の大きさを変えたプランでシミュレーションを回しました。
作った箱は以下のような感じです。

さて結果です。
まずは年間の冷暖房費合計の比較。

表やグラフを見せられても、と思ったあなた!
気にしなくていいです。
この結果を見て言えるのは、

 ・断熱性能が低いと、窓を大きくすればするほど光熱費がかかってしまう
 ・断熱性能が一定以上あれば、ある開口面積までは冷暖房費が上がらないらしい

の二点です。

冷暖房費、として冷房と暖房が混ざっていると、
夏、冬それぞれに何が起こっているのか分かりにくいので、分離。

まずは
冷房が動く時期、窓の面積と冷房費はどんな関係があるか、というと、

断熱性能によって程度の差はあれど、
南面の窓の面積が大きくなるほど、冷房費がかかってます。
それだけ日射が入ります、ということです。
非常に単純な関係。
断熱性能の高い家の方が、開口面積の上昇の影響を受けていません。
アルミサッシと樹脂サッシの差があるので、そりゃそうですね。
アルミサッシだと熱的にはツーツーです。

ちなみに今回は、窓面積の影響を直接見たかったので、
軒や庇での日射遮蔽は一切していません。

次は
暖房が必要な時期、窓の面積と暖房費にはどんな関係があるか、というと、こんな感じ。

断熱性能が等級3程度の場合、面積に応じて暖房費が増えていますが、
面白いのはZEH相当の家の場合。
窓を大きくするほどに、暖房費が一定の値まで下がっています。

これは、前回、前々回に書いたような、日射を上手に使うと暖房費下がります、
に合致した結果ですが、
日射で部屋を温める効果は、一定以上の断熱性能が要求される、ということです。

巡り巡って、そりゃそうだ、という結果になってますが、
グラフにして可視化すると、腹に落ちた感じになりました。

家がスッカスカのままで、「日射で暖房費を下げる」とかそんな説明するまえに、
まずは家の断熱性能を上げましょう。
断熱性能が十分に上がったら、やっと、日射取得の工夫をする意味が出ます。

そして、家の性能が低い場合は、窓を小さくするしかなさそうです。

窓を大きく開放的にしながら、同時に快適性を上げ光熱費を下げて、、、、
そんな願望があれば、断熱性能を上げることが第一歩。
そうすれば、いろいろなことが好転するようです。

ひとまずZEH相当程度に上げておけば、色々と上手くいきそう。
次の段階は財布と相談。。。

窓まわりの熱のふるまいについて徐々に材料が集まってきたので、
どうまとめるか、考えます。

あ!
今気づきましたが、、、
全く同じガラス性能で面積だけ変えるべきでしたね、、
ガラス以外の躯体性能は変えてもいいですが、窓性能は、、、失敗しました、、、

次回、やり直すのか?

のゴロウ
コラボハウス一級建築士事務所

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