続・窓の変更は得か損か?

パッシブデザイン

前回の続き。

窓の変更は得か損か?!

損得にガッツリ関わりそうなポイントは2つ。

 ・ガラス性能 ・窓面積

2つの要素を同時に検討すると発散するので、
今回はまずガラス性能に注目します。

サッシをYKKAPの全樹脂サッシ、APW330で固定した場合、
普及品として選べるガラスは、5種類。

 ・ただのペアガラス(非Low-E)
 ・日射取得Low-Eペアガラス
 ・日射遮蔽Low-Eペアガラス
 ・日射取得Low-E真空トリプルガラス
 ・日射遮蔽Low-E真空トリプルガラス

前回使った「自立循環型住宅モデルプラン」は日射遮蔽が完全にはできていないので、
今回はしっかり軒の出たプランで光熱費計算をします。
ベースのプランはこれ。
 #プランの南北が逆になってます。悪しからず。
このプランで、窓ガラス5種について、それぞれを使った場合の光熱費はこんな結果に。
【全館冷暖房の場合】
断熱Low-Eトリプルガラスの場合が最も安く
遮熱Low-Eペアガラスの場合に最も高くなる結果でした。
ガラスによって変わる要素は

・日射取得量
・熱損失量

の2点です。
これらのバランスが、年間冷暖房費という結果になります。
そして、年間の冷暖房費は最大で1万7千円程度の差、でした。
35年でおよそ 60万円の差額
おお!これならメリットが!!!!!!!!!!!
。。。。いや、落ち着きましょう。
遮熱Low-Eガラスと断熱Low-Eガラスは同価格です。 
なので、導入に40万円程度必要な真空トリプルガラスによって得られるメリットは、
年間3000円程度。35年で10万円、、、、
だめだこりゃ。
しかも気になって仕方がないのが、上から2番目の、
非Low-Eのペアガラス
断熱Low-E真空トリプルと、年間1500円ほどの差しかありません、、、
なんなら、Low-Eガラス入れるよりも光熱費が安くなるという結果。
快適性については、、、全館暖房なので、室温は常に21℃以上となり、差がないです。
これはなんとも、、、
結果として、
このガラスを入れれば、この窓にすれば、光熱費は安くなりますよー、
ということではありませんでした。
ガラスなら、断熱(日射取得)タイプや日射遮蔽タイプの違いを理解し、
ベストな選択をすれば、お金をかけずに光熱費を抑えることが可能、ということです。
そして、なーんにも考えずになんとなくガラスを選んだとして、
南の大きな窓が遮熱Low-Eだった場合、ただ「知らなかった」だけで、
年間1万5千円もの損失を被ってしまう、ということです。
35年トータルで52万円!
大きい。これは大きいです。
必要なのは追加費用ではなく、正しい判断、です。
そして、南面の窓ガラスは日射取得タイプにしましょう。
それが正解の模様。
遮熱タイプはやめておきましょう。
窓面積の影響については、次回。
のゴロウ
コラボハウス一級建築士事務所

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