断熱と室温と光熱費と

断熱・気密

先日「ホームズ君」という温熱シミュレーションのできるソフトウェアを導入しました。
細かい話は省きますが計算方式が画期的で、
今までのソフトウェアと比べ、
室温のシミュレーション結果が現実に近くなったんです。
「ホームズ君」という名前がなんとも言えず緩いですが、
その実力はかなり期待できるもの、と言われています。

このシミュレーションソフト「ホームズ君」を使って得た結果から、
断熱性能を高くすることで、室温がどうなるか、光熱費がどうなるのか、
見てみようと思います。

気になっていたのが、ZEHレベルの断熱(コラボハウスの標準仕様)と、
今でも多く建てれられているらしい断熱等級3の家の違いです。

断熱性能を向上させると
・快適になる
・光熱費が下がる

と言われますが、さてどうでしょう?
どの程度の差が出るでしょうか?

寒い冬の日(2月中旬のある日)

深夜0時まで暖房し、就寝とともに暖房OFF
  ↓
朝6時に起床するとき暖房再稼働

の間、早朝5時の気温を描いたのが下の図です。

【ZEHレベルの断熱性能】

【断熱等級3】

パッと見で色の違いがわかると思います。
この時、外気温は2.7℃です。
寝室のある2階の間取りで右下が主寝室ですが、ZEHレベルの断熱性能があれば、暖房を切って5時間後で室温が15.1℃。断熱等級だと11.8℃です。

11.8℃。流石に寒いです。
ZEHと等級3では、この差が出ます。

昼間は設定温度21℃で、エアコンがしっかり動いてくれるので同じ21℃になりますが、ひとたび暖房機を止めると、数時間で命運が別れてしまいます。

断面図も見れます。

【ZEHレベルの断熱性能】

【断熱等級3】

断面図の右上の部屋、トイレです。
朝起きてトイレに行くと、寝室と同じく16℃程度あるZEHの家と、
寝室と同様に13℃と寒い断熱等級3の家。
気温差は明白です。

昼間は同じ室温。早朝は異なる室温。
そんな環境ですが、必要な光熱費の差、というと、、、

こんな感じ。
表の一番右下の数字が、光熱費の差です。
暖房費、冷房費、
全部合わせて年間14000円程度の違いがでるようです。
当然、断熱等級3の家のほうが光熱費が高いです。

とはいえ、断熱等級3の家は2020年以降は建てることすらできません。
役所から建築許可がおりないんです。
今家の建築を検討している方で、断熱等級3の家はどうか、と言われたら、是非とも考え直してみてください。
ポイントは「サッシ」です。
アルミサッシだったら、等級3を疑ってみて下さい。
そして、住宅会社の人に聞いてみて下さい。

光熱費がたくさんかかってしかも部屋が寒いなんて、辛いです。
5年前、10年前なら仕方がないですが、今建てるなら、避けましょう。
アルミ樹脂複合サッシに変更する程度なら、そんなに金額差はないはず。

のゴロウ
コラボハウス一級建築士事務所

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