窓をめぐる熱の話:冬

前回は、夏の室内の暑さを軽減するためには、窓の性能を上げることよりも、

日射遮蔽を充実させたほうが効果的、という話をしました。
夏は確かにそう。では冬は?
日射遮蔽したら日射取得量が減って損する方向に傾くのは仕方がないとして、窓の断熱性能と日射取得熱の収支がどうなるか、計算してみます。

諸条件は以下の通り。

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期間:1月15日〜2月14日
室温:21℃固定
外気温:2001年〜2010年の10年間の平年値
日射量:南垂直面の日射量(NEDOの日射量データベース閲覧システムより)
窓:2.56m x 2.2m 2枚、2.56m x 2m 2枚
窓種類1:エピソード(日射取得率0.4、Uw値:3.49)
窓種類2:APW330(日射取得率0.4、Uw値:2.33)
窓種類3:APW430(日射取得率0.33、Uw値:1.60)

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窓を通しての一ヶ月間の熱の収支のみに着目します。室温は21℃固定なので、それに応じた暖房を稼働させることが前提です。

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【エピソード】
外側がアルミで室内側が樹脂の、アルミ樹脂複合サッシです。

  総熱損失量:778MJ
  総日射取得量:807MJ
  収支:29MJ


エピソードだと窓だけで収支がほとんど閉じてしまいました。1ヶ月で29MJといえば、電気ストーブ換算で210円分程度の熱量です。ちょびっと。1日6.8円ゲットです。。。
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【APW330】
ウチもソトも樹脂の全樹脂サッシ。ペアガラスが基本です。

熱損失量:520MJ
日射取得:807MJ
収支:287MJ

APW330にすると、収支は10倍くらいに増えます。電気ストーブで2000円分程度のエネルギーです。1日65円ゲット。
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【APW430】
ウチもソトも樹脂の全樹脂サッシ。トリプルガラスです。

熱損失量:357MJ
日射取得:666MJ
収支:309MJ

APW430だと、追加費用はそこそこかかりますが、2150円程度分のエネルギー。1日70円程度。APW330に比べ、一日あたりプラス5円程度の差が出ます。
サッシをAPW330からPAW430に変更しようとすると、それなりに費用もかかるので、1日5円程度のプラスではちっとも割に合いません。エアコンで暖房しようとすればなおさら。
窓が高性能になれば窓付近の体感温度が変わるので、APW430に変更する意味が無いとは言いません。ただ、かける費用に対してどれだけ利があるのかと言えば、今の価格差では、「冬の体感温度が上がる」以外の金銭的な利は無いです。体感温度も、カーテンや障子で十分緩和できる範囲なので、誰も彼もに超おすすめ、とは言えず、、、
エネルギーの金額(電気代)が一気に上昇したら、また話は変わってきます。そんな時代が来る可能性も十分にある(と思ってます)。が、今の環境では、お客さん皆さんが納得するような明確なメリットは、提示できないです。
LIXILさんだったら、ほぼ同等の性能を持ったサーモスXが良いと思います。
これは複合サッシですが、全樹脂と同等の性能を持ってますので。
のゴロウ

2 Replies to “窓をめぐる熱の話:冬”

  1. こんにちは。南垂直面で考えるであれば、日射取得型でどうなるかも知りたいところです。特に、apw 430 の日射取得型の方がapw330の日射遮蔽型よりもUw値が良いので。

    1. コメントありがとうございます!
      ガラス種の比較は「http://netsu56.club/2017/06/12/blog-post_12-5/」こちらでやっていて、南面は日射取得タイプにすべきであることがわかります。
      ただ、サッシは樹脂で(ペア/トリプル)x(日射遮蔽/日射取得)の組み合わせで比較した結果はまだ書いていないので、追々書いてみようと思います。

      ただ、温暖なエリアでAPW430を導入するコストメリットが薄いことに変わりは無いんですが、収支がどの辺に落ちるかは、参考情報としてまとめてもいいかもしれませんね。

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