特に大きな窓には軒や庇が必要ですよと、事あるごとに書いています。
前回(https://netsu56.club/2017/06/04/%e7%aa%93%e3%81%ae%e3%83%81%e3%82%ab%e3%83%a9/)も書いたとおり、
軒のない、日射遮蔽のされていない大きな掃き出し窓は、
夏の暑い日に電気ストーブを使っているのと同じだけの熱を取り込んでしまいます。
正気の沙汰ではないと思うのです。
それを防ぐためには、ただ日射遮蔽をすればいいんですが、
「軒・庇を出す」以外の選択肢も知っていれば、
デザインにも自由度が増すだろうと思い、まとめます。
■軒・庇
言わずもがな。軒、庇。
南面に軒ゼロはダメ、ゼッタイ。
と言いたいですが、事情はそれぞれなので、
代替案が続きます。
※写真はスタッフ自邸。たっぷりと軒が出てます。
■アウターシェード/スタイルシェード
YKKAPやLIXILが出している、
窓の外部に取り付けるロールカーテンのような日除け。
前述のスタッフ自邸は北側からの日射の入り込みが大きく、
夏の朝、若干オーバーヒート気味だったことから、即対策。
効果絶大とのこと。
ちなみに、外から中はほぼ見えませんが、中から外は意外と見えます。
■外付けブラインド
おそらく最強の日射遮蔽部材です。
ただ遮るだけでなく、眩しさを抑えつつ熱をゲットしたり、
日射を遮りながら眺望をゲットしたり、
微調整が効くところが他の追従を許さない最強たる所以です。
金額も、まあまあ最強の部類ですが、
ここ最近値段が下がっていて、
以前は一窓30万円はかかりますかねー、と言っていたのが、
半額にまでなってます。
そのおかげで、本気で検討すべき段階に入りました。
軒を出すのも躊躇われるほどに敷地の制限がきつく、
でも日射遮蔽しなければならないときは、必須です。
西に眺望の期待できる土地の場合も、必須でしょう。
予算に余裕がある方も、効果的な日射遮蔽・取得ができるのでオススメです。
■グリーンカーテン
ゴーヤ、きゅうり、ヘチマ等々
ツルでグイグイ上に行く奴らを窓の前に育てるアレ。
収穫して食べたり使ったりできるので、
楽しさと日射遮蔽で一挙両得。
ただ、意外と青臭いです。
ゴーヤは、受粉してあげないとチッコイのしかできないことがあります。
虫も、無視できません。
■タープ
庭先や窓の上に、タープを設置して日射遮蔽するのもアリ。
逆に良いかもしれないと思わせるのは海外の写真だからだろうか。
でも、直射を避けつつ外でのんびりできるスペースを確保して、
しかも、光をある程度通してくれるタープなら、室内を暗くすることもなく楽しそう。
こんな手もありますよね、という話です。
※Pinterestのキャッシュから発掘。
■オーニング
オープンカフェに付いてそうなやつ。
雨も避けられるし、日射遮蔽もしてくれるし、
閉じたら日射取得量も稼げるし、結構良いかもしれないと思っています。
取ってつけた感が、やや敬遠するところかもしれませんが、
好き好きとも思います。
※LIXILさんHPより抜粋
■すだれ
オーソドックスな日射遮蔽ツール。
日本では昔から使われています。
和のテイストにも合うので、軒下空間+すだれ も良いかも。
個人的には好きです。
自宅の最終手段もすだれかなと思ってます。
以上、日射遮蔽手段は軒・庇を出すだけに限らず、
部材を追加したり植物を育てたり、
可能性はまだまだたくさんあります。
軒が出ていないからNG、とか、庇が無いからNGとかそういう単純なことではなく、
住む人のライフスタイルに合った提案こそが大切だと思います。
後付でどうにでもなる。
冷静に、ベストな提案というよりもベターな選択を提示できることが、
住む人の生活を豊かにするのでは、と考えます。
そもそも考慮していない、とかはNGと思います。
熱のゴロウ
コラボハウス一級建築士事務所
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