放射と伝導(2)

飛び飛びの連載ですみません。
放射と伝導の話です。

放射と伝導(1)
http://collabo56.blogspot.jp/2015/12/blog-post_13.html

夏と冬を考えたらどうすればいいんでしょうか?
と言ったからには検討します。

※注 以降は文字と数字だけなので、結論だけ見てください。

まずは夏。
真夏の8月、1日に降り注ぐ日射量はおおよそ25MJ/㎡。
※日射量データベースより http://app0.infoc.nedo.go.jp/metpv/metpv.html
総二階の32坪の家の場合、屋根面積はおよそ53㎡。
日照時間は11時間程度。

屋根に降り注ぐ熱量は、だいたい 33.5kW。

日射侵入率η(太陽の熱が入り込んでくる割合)は、
熱貫流率の0.034倍とのこと。
コラボハウスの標準仕様では、
屋根の熱貫流率は 0.2 [W/㎡・K]。
日射侵入率ηは、0.0068。

33.5kWのうち、228Wが室内に入ってきます。
228Wの熱を除熱するために必要な、エアコンの電気量は、
COPが4程度で動くとして、だいたい60W。
60Wが11時間続くと、660Wh・・・
1kWhあたり27円程度なので、18円/日、かな???
毎日晴天という最悪のコンディションの場合、
560円/月。

え?こんなのでいいのか?

屋根の断熱が等級2レベルだと、
屋根から侵入してくる熱は900W。
あ、それは流石に暑い。
真夏に天井から電気ヒーターつけっぱなし状態にするわけなので。
夏に電気ヒーターとか、想像するだけで汗かきます。

同様にCOP4程度でエアコンが動いて除熱したとして、
225Wが11時間なので、2.5kWh。
電気代にして67円/日。
これまた毎日晴天というコンディションなら、
2000円/月!

おお!
これなら遮熱したほうが良いと言いたくなるかも。

では前回の結果より、屋根材が高温になる場合は、
放射熱を防ぐことで全熱量の3割〜5割を防げることが分かっています。
屋根、超高温なはずなので、5割を遮るとします。

コラボ仕様なら、1日あたり9円の冷房代が必要です笑
等級2だと、1日あたり34円。

夏冬比較する前に、断熱性能が低い場合は遮熱が効果的ですが、
断熱性能が高い場合は、遮熱の効果は非常に限定的、と言えます。

引き続き、冬の場合。

できるだけ太陽の熱を室内に取り込みたいわけですが、
15MJ/日
10時間。。。

もうダメだ!
言いたい。

冬の検討するまでもないです。

高断熱なら、遮熱はもういいでしょう。どっちでも。
放射熱をコントロールする必要があるのは、断熱性能が極端に低かった時代の話。
今は高い断熱性能を確保することが一般的になり始めているので、
もう遮熱はいいでしょう。そこまで気にしなくても。
断熱等級4を超えてHEAT20基準のG1を超える(Q値=1.9W/㎡・K)住宅では、
もはや遮熱を重要視しなくても良いです。

断熱等級3程度であれば、確かに遮熱は効果あります。

それにしても、遮熱シートをやたらと押してくる会社は、
この辺り計算してみたんだろうか?
それとも、単に断熱性能が低い住宅を建てているだけなんだろうか?
イメージと過去の経験で仕事してませんかね?

不要、とまでは行かなくても、重要度はかなり低いです。

気になること、分からないことがあれば、

お気軽にご連絡ください。
のゴロウ(高垣 吾朗)

———————————————–

12月19日、全国の書店およびAmazonにて、
1時間でわかる省エネ住宅! 夢を叶える家づくり
発売されます。

これから家づくりをしようと思っている方に向けた、
省エネで快適な家をつくるためのエッセンスをあれこれ詰め込んだ本です。
ご興味のある方は是非!

家を建てる前に知りたかった、、、を無くします!

コメント

タイトルとURLをコピーしました