前回の輻射冷暖房パネルの話を受けて
放射と伝導、それぞれの影響の大きさを考えます。
今回は、いつも以上にメンドクサイ要素が強いのでご注意ください。
今回考えるのは壁のごく一部、一番外側にあたる場所です。
下の図の赤枠のところ。
夏、外壁材が太陽の光を受けて熱ーくなっているとき、
外壁材から、構造パネルのダイライトに伝わる熱が、どのようになりそうか?
見てみます。
赤枠部分を抜き出すとこんな感じ。
[外壁材][通気層の空気][ダイライト]の順番になります。
「通気層の空気」は、本来は暖まると上方に抜けていきますが、
今回は簡単のため、空気は留まることにします。
熱の伝わり方には3つ有ります。という説明はかなり前の記事に書いているので、
参考まで。
熱の伝わり方3種類「伝導」「放射」「対流」のうち、
今回は「伝導」と「放射」を見ます。
[外壁材][通気層の空気][ダイライト]の順に、
隣り合った物質にジワジワと熱が伝わるのが「伝導」。
そして、暖まった外壁材が出す見えないビームによって
ダイライトに熱が伝わる「放射」。
「伝導」と「放射」、それぞれどんな割合で伝わっていくのか?
実は外壁の温度によって、
「伝導」で伝わる熱と「放射」で伝わる熱の割合が変わります。
これまた条件を固定して、ダイライトは常に20℃、とします。
その時の、「外壁→ダイライト」に伝わる熱のうち、
「伝導熱」「放射熱」の割合は以下のように変わっていきます。
外壁の温度が20℃や30℃程度のときは、
放射熱は全体の10%程度しかありません。
ですが、50℃を超えると全体の30%。
70℃にまで上昇すると、半分が放射として伝わる熱になることが分かります。
50℃とか70℃など、そんな温度になるのか?
はい、なります。
夏の屋根はまさに50〜70℃に達します。
そんな環境であれば、放射熱を90%以上遮る遮熱シートなどは、
半分の熱を防ぐことができるので、効果が大きいです。
高温になる部位に関して熱を遮ろうとすれば、
遮熱シートは効果的である、と言えます。
さてさて、夏の熱さを防ぐことだけ考えれば、
屋根に遮熱シートは効果ありそうですが、
冬は?
冬は、太陽の熱を取り込みたいです。
そのほうが部屋は暖かくなるし、
その分暖房エネルギーを使わなくても済みます。
そのバランスはどうでしょうか、、、?
それはまた次回。
ここまでのところで気になること、分からないことがあれば、
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