単純な「熱」の量だけであれば、
6帖用エアコン(2.2kW)一台で家中を冷暖房できる、
と先日書きました。
そして、空気が家全体を巡るような工夫が不可欠、とも言いました。
今日はその話。
先に言っておきます。
これには答えがありません。
これをやれば絶対に大丈夫、という方法が無いんです。
こんな工夫をしたら上手くいく可能性が上がる、という程度で読んでください。
「吹き抜け」
1階だけなら1階だけ、2階だけなら2階だけのように、
同一フロアを同じ室温にするのは難しくありません。
階段を通じて行き来する空気の量は限られているため、
1階と2階を同じ室温にしようとすると、とたんに難易度が上がります。
それを解消するのが吹き抜けです。
うまく設計すれば階段と吹き抜けを通じて
1階と2階の空気を循環させることができます。
階段と吹き抜けが別々にあるのが望ましいです。
吹き抜け、階段の2つの経路で、空気がぐるぐると循環しやすくなります。
家全体が一様な室温に近づきます。
吹き抜けが無いと、
1階と2階の空気が行き来できるのは階段だけ。
階段はそんなに広くなく、
上昇する空気と下降する空気が押し合いへし合い。
上手く混ざることは期待できません。
「設備」
間取りや設えで繊細な室内環境をコントロールするのではなく、
設備を使って積極的に各居室を冷暖房する方法もあります。
もちろん、この設備をエイヤ!で入れればO.K.というわけではなく、
家の規模や間取りに合った設備を選別しなければならないので、
難易度が高いです。
システムとしてまとめているものも、あります。
その辺り、気になる方はご連絡ください。
「パッシブソーラー」
家中の空気を循環させる仕組みとして昔からあるのが、
「OMソーラー」や「そよ風」のようなパッシブソーラーです。
太陽の熱を空気として取り込んで、
その空気を家中に循環させる仕組みがとられています。
換気の仕組みが独特で、
「太陽の熱」というフリーなエネルギーを使っている特権として、
温泉の源泉掛け流しのようにダバダバ熱を取り込んで、
ダバダバと熱を排出します。
そのために、パッシブソーラーの家をエアコンで冷暖房すると、
高級な電気を使って作った熱もダバダバ排出してしまい、
ちょっともったいなくなります。
熱交換+パッシブソーラー みたいな仕組みがあると、もっと面白いと思うんですが。
色々と矛盾を孕むので、難しい。
ここはまだ悩めそう。
「パッシブ換気」
1階と2階の空気を、
暖まった空気の浮力を上手く使って循環させる仕組みとして発達しているのが、
パッシブ換気です。
この仕組みを売りだそうと動いていた会社に、
実は以前、お邪魔したことがあります。
http://collabo56.blogspot.jp/2014/05/blog-post.html
その時の写真↓
北海道で汗だくだったわたし。
この仕組みも面白いと思います。細かく書くと長くて難しいのでちょっと割愛。
以上4つ、
「吹き抜け」
「設備」
「パッシブソーラー」
「パッシブ換気」
パッシブソーラーは毛色が異なるので別物としても、
手段はいろいろあることが分かってもらえると思います。
家の中では人が生活をしているわけなので、
常に変動していて、何が起こるか分からない空間です。
なので、「吹き抜け」を絶対的必殺技としてゴリ押しはできません。
ですが、間取りの検討によって実現できるという手軽さと骨太さが、
好きでもあります。
気になるなー、でも、何がなんだか、という方は、
是非一度高垣までご相談あれ。
何もかも包み隠さず、知っていること、知らないこと、実現できることできないこと、
説明させて頂きます。
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