断熱性能と部屋の温度

写真は設計士西村の自宅です。
その名も「コラボ一横長い家」。

生活の様子を直接聞いてみると、
天窓から入る太陽の熱が大きいため、夏の朝、リビングが非常に暑くなったり、
空調を切って外出後、帰宅した時の室内の熱気がモワッとスゴイ、
という話が聞けます。
住宅の断熱性能、日射取得量等々で決められるおおよその室温が気になってきます。

オーソドックスなプランを想定し、
家の断熱性能別に、どのくらいの室温になるのか、
手元の資料を元に書いてみようと思います。

まずは先日書いた記事、

【断熱性能と暖房費用】
http://collabo56.blogspot.jp/2015/11/blog-post_10.html

↑この話でお金どのくらい?が分かると思いますが、
これから書こうとしている、狙った室温にするために、
光熱費がどの程度必要なのか?という情報を併せて見ると、
より「快適な家」「省エネな家」を実感できると思います。

室温の話であれば、以下の記事でも書いたことがあります。

【コラボの家の室温】
http://collabo56.blogspot.jp/2015/10/blog-post_10.html

断熱性能別に室温がどうなっちゃうのか、まとめます。

まずは基準になる断熱等級です。


 ※愛媛県を含む「6地域」で必要な断熱性能値を示しています。

平成4年に定められた基準と同等の「等級3」
平成11年/平成25年の基準と同等の「等級4」
年間150棟以上やっている大手の建売の建築会社が守らなければならない基準、
等級4を上回る「トップランナー基準」
更にその上、HEAT20(住宅の高断熱化技術開発委員会)という組織が提示している、
「G2(推奨グレード2)」


これらの断熱性能の家で室温がどうなるかを見てみます。
ちなみにコラボハウスの標準仕様は「トップランナー基準」です。

寝るまでの間は暖房をつけていて、就寝時に暖房OFF。
朝起きてまた暖房ON。
そんな生活をしている方、少なく無いと思います。

暖房をつけているときは室温が20℃で、
深夜0時に就寝。
外気温が3℃の場合に、朝6時の寝室の室温がどうなるか?
それを示したのが下のグラフです。


 ※HEAT20設計ガイドブックより転載

等級2、昭和55年基準の家では、7.9℃
明らかに寒いです。
寒い、というよりも冷たい感覚でしょうか。
布団から出ないです。寒くて。

等級3、平成3年基準の家では、9.5℃
やっぱりまだ寒いです。
布団からは出られないです。寒いので。

等級4、平成11年基準の家では、12.2℃
やっと10℃を上回ってきました。
寒いですが、室温が10℃以上あると、冷たい感じはかなり薄れ始めます。

G1、いわゆるトップランナー基準の家では、14.5℃
この辺りになると、どうにか着替えもしやすい環境になり始めます。
断熱性能が高いことを実感できるでしょう。

G2HEAT20の提唱する基準の中では最高にすると、16.1℃
外との気温差はなんと13度。
外気温に比べて室温が非常に高くなります。
外から帰ってきたら、家、暖かいと感じるでしょう。

今、11月中旬の愛媛県松山市の最低気温が15℃くらい、
と言えばイメージ湧くでしょうか?※愛媛の方向けですが
すごく寒いわけではなく、まあ、寒くなり始めたかなー、程度の感じ。

G2レベルの断熱性能を持つと、結構真冬でもそのくらいの室温を維持できる、
ということです。

さらに、等級4の家で、雨戸と厚手のカーテンを設置したらどうなるか?

ワンランク上のG1(トップランナー基準)の家と同等の室温になります。
13.4℃
雨戸とカーテン、侮れません。

具体的な室温を見ると、高断熱な家にしたくなりませんか?
んー、そうでもないですか?
でもまあ、メリットは明確にあるので、なんとなく考えてみてください。

異論、反論、気になること、分からないことがあれば、
お気軽にご連絡ください。

のゴロウ(高垣 吾朗)

コメント

  1. 匿名 より:

    こんにちは。毎回、高垣さんのブログを拝見しています。家を建てる際に、会社の等級レベルというのは、会社の方に聞けば、教えてくれるものですか?

  2. 匿名 より:

    高垣さん、今回もめちゃくちゃ勉強になります! 質問なのですが、トップランナー基準からHEAT20G2にグレードアップした場合、どれぐらいの金額アップになります? また、朝起きた時のLDKがどうなのかが知りたいです。寝室よりも重要かも。 あと西村さんの家の屋根についてもっと詳しく知りたいです。(屋根のお話はもう少し先ですか) すみません。よろしくお願いします。(柏木陽イチロー)

  3. 高垣 吾朗 より:

    コメントありがとうございます!返信が遅くなり申し訳ないです。。。
    断熱等級は、どんな材料(断熱材)をどのように使っているかで決まります。
    もし教えてくれない場合は、材料を秘密にしている事と同じになってしまうので、そういった会社は避けたほうが良いと思います。
    ただ、断熱のことを知らない担当者、理解していない担当者が居るのも事実です。
    聞いてみてクリアに答えられなかったり答えてくれなければ、やはりその会社は検討から外したほうが良いかもしれません。

  4. 高垣 吾朗 より:

    いつもありがとうございます!
    まず、トップランナーからG2へあげようとした時に必要なのは、
    ・窓を樹脂or木サッシトリプルガラスに変更
    ・付加断熱を追加
    金額は会社や時期によってまちまちですが、100〜150万円程度で実現可能でしょう。
    LDKの室温は、寝室と大きく差がでるわけではないので、15〜16℃程度と思って間違いないと思います。

    西村邸に限らず屋根の話は、近々書きますね。
    ただ、そんなに分量無いかもしれません。

    コメントありがとうございます!

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