唐突ですが、今日は断熱性能と暖房費用の話。
高断熱高気密がいいよね!
と言っても、断熱性能が高い事の何が良いのと聞かれると、
「快適になります」
「健康になります」
「冷暖房費が抑えられます」
。。。どのくらい?と言われてできる具体的な話はこんな感じ。
快適 → 体感温度の話 etc..
健康 → 医療費の話 etc..
冷暖房費 → そのまま冷暖房費の話 etc..
この中で、データが十分に揃うのが「冷暖房費の話」。
「健康」の話もしたいんですが、これはまた次の機会に。
とても便利なこのグラフ。
断熱等級と暖房費の目安です。
グラフの説明をします。
※このグラフ、「自立循環型住宅の設計ガイドライン」から拝借しています。
暖房の方法を3つ挙げて、
それぞれの暖房方法の年間の暖房費用を断熱等級別に推定したものです。
全館連続暖房:
家中が常に暖かくなるよう暖房します。廊下もトイレも全部。
全館冷暖房というやつです。
全居室連続暖房:
人のいる部屋が常に暖かくなるよう暖房します。廊下やトイレは除外。
部分間歇暖房:
人のいる部屋を暖房します。暖房はつけたり消したり、必要に応じてオンオフします。
多くの方がこの方式で冷暖房していると思います。
暖房の熱源は、エアコンと石油ストーブが混ざっています。
これは光熱費に反映されます。
※エアコンのみに絞ると、もう少し暖房費を抑えられます。
引き続いて、横軸の断熱等級についての詳細は、以下のとおり。
【断熱等級2】
20年前くらいに建てた家はほとんどがこれ級です。
かなり無断熱に近い。
結構寒いです。
このレベルの住宅は2020年以降建てられなくなります。
【断熱等級3】
コラボハウス創業当初はここでした。
断熱気密の重要性を理解していない住宅会社の家は、今でもココのレベルです。
家づくり真っ最中の人は、
担当者に「断熱ってどうなってます?」と聞いてみてください。
例えば「愛媛は暖かいから、そんなに断熱しなくても大丈夫ですよ」
なんて言われたら、悪いことはいいません。やめたほうがいいです。
このレベルの住宅も2020年以降建てられなくなります。
【断熱等級4】
2020年に義務化される断熱性能は、ここです。
ここをクリアしないと、建てられなくなるわけですが、
2012年の時点で新築住宅の50%が等級4をクリアしているとのことです。
【断熱等級4+】
これは、断熱等級4の家の窓の性能を向上させたものです。
この資料では、「ペアガラスにした」と書いていました。
正直、超レベル低いですが、(今やペアガラスなんて最低条件なので)
5〜10年前まではその程度の認識でも仕方がないかもしれません。
さて、家には30年以上住みます。
家の費用として最初にどれだけ投資して、
その後のランニングコストがどれだけ安くなるか?
というところは、条件が多すぎて分かりにくいので、
住宅会社で質問しても、ボヤっと話すか、話を逸らされるか、というとこだと思います。
赤い線、「全館連続暖房」を採用している場合、
等級2 : 18万円
等級4+: 8万円
その差10万円!
全館連続暖房をする場合、30年で300万円!
おおすごい、、、
先に300万円使って断熱性能を高くしておけば、
暖房費はトントン。
さらに快適で健康な生活を得ることができます。
緑の線、「部分間歇暖房」は、等級2と等級4+を比べると
等級2 : 7万円
等級4+: 4万円
年間3万円の差。
30年で90万円。
多くの方が「部分間歇暖房」をしていることを考えると、
「断熱性能高くしても光熱費ってそんなに変わらない」
というイメージを持っても仕方がないですね。
ですが、生活している環境の温度は全く別物で、
ヒートショックをバンバン受ける環境が「部分間歇暖房」「全居室連続暖房」の2つ。
「部分間歇暖房」に至っては、そもそもの室温も低いです。
室温が低いと何が困るのか、何がデメリットかは、
ココ最近多くのデータが出てきているので、
またまとめます。
ちなみに、高垣邸は等級4+を大きく超え、
断熱等級6とか7とか、(そんなの無いですが、もしあれば)
そのくらいのレベルにします。
しかも、そんなにお金を使わずに、というのが目標です。
そのほうが快適でお得だからです。
異論、反論、気になること、分からないことがあれば、
お気軽にご連絡ください。
熱のゴロウ(高垣 吾朗)
g-takagaki@collabohouse.info
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