以前にも書きましたが、再び。
賢いエアコンの選び方をまとめます。
初っ端ですが、これ。
新築の人は23帖用エアコン、買っちゃダメですよ。
まずはそもそもの前提、エリアについて。
日本には、北海道のように極めて寒い地域から、
沖縄のように非常に暖かい地域があるので、
十把一絡げにはできません。
建築では、日本全体は気温や気候ごとに、
この色分けされた地図のように分類されています。
私の住む愛媛県松山市は6地域になります。
6地域は結構広いです。
瀬戸内の沿岸全域や、九州、千葉以南の太平洋側が含まれます。
今日お話しすることは、4〜7地域にも当てはまることを覚えていてください。
ここで、突然ですが質問です。
新築の家の20帖のLDKに設置するエアコンは、何帖用にすべきでしょうか?
電気屋さんに行って店員さんに聞けば、ほとんどの場合、
20帖用のエアコンや23帖用のエアコンを勧められます。
それ間違いです。
そんなに大きなの、絶対に買っちゃダメです。
今や、新築住宅の半分以上が断熱等級4を満たす断熱性能を持っています。
断熱等級4 → Q値 = 2.7 [W/㎡・K]
このQ値に「延べ床面積」と「内外温度差」を掛けると、
家の外に逃げていく熱量が出てきます。
ここで、
最低気温を -5℃(長野市の平均最低気温がこのくらい)、
室温を 19℃ にする、と仮定します。
20帖は 33.058㎡ です。
この時に外に逃げていく熱量は、2.14kW。
※全館暖房ではないのでもっと条件は良くなります。
これ、6帖用エアコンの暖房の定格出力が 2.5kW なので、
6帖用エアコン一台で十分ということが分かります。
6帖用エアコンで十分なんですよ! ←ここ大切です!
さらにリビングなら、テレビがあったり、人が集まったり、料理をしたり、
発熱するものが沢山あるので、
もっともっと小さくても事足りるんですが、
6帖用より小さいものはほぼ無いので、6帖用でよいです。
24帖くらいの広さでも、やっぱり6帖用で十分です。
じゃあ、大きいエアコンを買うと、どうなるかといえば、、、、
電気代が高くなります。
理由は2つ。
1)エアコンは、大きければ大きいほど、効率が下がっていくから。
2)エアコンの消費電力が大きいのはスイッチオン直後。
この時の消費電力が大きい(最大出力が大きい)と、単純に電気代が高くなるから。
100m先のコンビニにフェラーリで行くようなものです。
徒歩か自転車で行きましょう。
電気屋さんには、
大きい方が部屋がすぐに暖かくなる、と言われるかもしれません。
確かにそうなんですが、それ、そもそもの使い方が間違ってます。
より正しい使い方については、次回また。
ちなみに、、
コラボハウスの標準仕様の家であれば、
Q値は1.9W/㎡Kくらい。
愛媛県の平均の最低気温は5℃(最低気温は0℃で、平均最低気温が5℃)
コラボハウスでお手伝いする家の広さは、平均で34坪(112㎡)くらい。
家の中で発生する熱が500Wとすると、
室温を19℃に維持するために暖房で供給しなければならない熱量は、2.48kW。
これ、たとえばPanasonicの6帖用エアコン一台分です。
そう。
比較的温暖な愛媛県で、Q値が1.9くらいの家、34坪の延べ床面積だと、
熱量だけでいけば6帖用エアコン一台で十分なのです!
ただし、熱を運ぶ空気の流れを上手く作れるかどうか、
という重要な課題をクリアできる設計が必要になってくるんですが、、
それはまた別の話。
異論、反論、気になること、分からないことがあれば、
お気軽にご連絡ください。
熱のゴロウ(高垣 吾朗)
g-takagaki@collabohouse.info
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