私たちが日々目にする窓。
窓にはたくさんの機能・役割があります。
・光を取り込む場所
・風を取り込む場所
・外観デザインの重要な要素
・広がりを感じさせる仕掛け
・ウチとソトの関係を決める場所
様々な役割が交わる所なので、
位置や大きさを決めるために同時に検討すべき事が幾つもあります。
今日はその中でも「風を取り込む場所」としての窓について考えます。
そして、思いついた事をダラダラ書いてみようと思います。
窓には、その開き方でいくつか種類があります。
住宅でよく使うのは、、
引き違い窓
縦すべり出し窓
横すべり出し窓
FIX窓
ジャロジー窓
【引き違い窓】
よく見ます。
リビングの大きな窓や、腰の高さの窓、和室の地窓等々、
出会う頻度は非常に高いです。
良い所は、様々な面積に対応できるところです。
大きなものであれば、テラスやベランダに出ることもできます。
この窓を採用した際のデメリットは、気密です。
ちょっと気密が弱いです。
窓の障子と障子のスキマから風を感じることもあります。
風を取り込もうとすると、窓全体の面積の半分までが、風を取り込める面積です。
光は入るけれど風はそこまで上手に取り込めません。
窓に対して垂直な風は取り込めますが、
窓に対して水平な風は、ほぼスルーしてしまいます。
そこも弱点。
【縦すべり出し窓】
風を取り込むのがとても得意です。
窓に対して平行に吹く風をしっかりと室内に導き入れることができます。
縦に細長いスリット窓もこの縦すべり出し窓の一種で、
風通しと防犯と採光を兼ねた、なかなか便利な窓になります。
デメリットは、雨の吹き込みです。
軒・庇のある部分で縦すべり出し窓を開けていれば、
雨が吹き込むことはあまり無いですが、
軒・庇なしの部分では、雨が降ったら窓開けられません。
結構不便です。
軒・庇とセットで考えるのが良いかもしれません。
【横すべり出し窓】
開けっ放しにしていても雨が吹き込まないので、
使いやすい窓です。
キッチンやトイレ等、便利に使える場面が色々あります。
窓を開けたままにして出掛けてる最中に雨が降ったキャー、、、
ということにはなりません。
防犯も、悪くないです。
デメリットは、この窓、あまり風を通してくれません。
シッカリと風を抜こうとすると、
かなり開く必要があります。
トイレでオナラしたからちょこっと換気、、、程度ならまあいいですが、
熱気を外に逃がそうとした場合に、けっこう非力です。
風はあまり通さないと思っておいたほうがよいです。
【FIX窓】
開かない窓です。
ガラスが入っているだけです。
当然気密性能は最強ですし、他の窓に比べ断熱性能も高くし易いです。
しかし、開かないので、開きもしないので、風通し検討とは無関係の窓です。
採光検討時には必要です。
※ちなみに「開きもしない窓」という表現は、
弊社スタッフがお客様にFIX窓の説明を求められた時に、
つい言ってしまったものです。
【ジャロジー窓】
最後に、この「ジャロジー窓」、ガラスルーバー窓、とも呼ばれていますが、
これ、使ったらダメです。
使用禁止です。
理由は3つ。
防犯、断熱、気密です。
防犯面では、外からガラス一枚一枚を簡単に外せるので、侵入されます。
気密は、仕組み上気密を確実に確保することが難しいため、かなり低気密です。
ペアガラスやトリプルガラスなんて使えないので、断熱性能確保は無理です。
以前はトイレや洗面所に設置する事がありましたが、
今では上記デメリットから、ほとんど見なくなりました。
もし住宅会社の人にこの窓を勧められたら、
その担当者は分かってない人だと判断して間違いないです。
以上、各種類の窓のメリット・デメリットでした。
窓の大きさや種類は、家の外観デザインに大きく影響します。
いろんな理由で窓の種類・大きさは決定されていますが、
その良し悪しの判断材料として、使ってみてください。
コラボハウス一級建築士事務所
高垣 吾朗
g-takagaki@collabohouse.info
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