ちっとも書ききれていないエネマネハウスの感想。
(1)、(2)は以下を参照のこと。
【エネマネハウス2015(1)】
http://collabo56.blogspot.jp/2015/10/2015.html
【エネマネハウス2015(2)】
http://collabo56.blogspot.jp/2015/10/2015_31.html
山口大学の次に見学したのが、関東学院大学の「GREEN HAT 2030」。
屋根?の上?に太陽光発電パネルと太陽光温水器を設置して、
パネルの下のスペースを「庭」と見立てた住宅です。
太陽光パネルはミスト散水によって冷却されます。
学生さんに聞いたところ、
ベストケースで25℃までパネル温度が下がるそうです。
これはつまり、太陽光パネルがベストの状態で発電できる、ということです。
さらに、屋根からの灌水が軒下の石を濡らし、
打ち水効果を狙っているとのこと。
さらにここ。
エントランスでもあり廊下でもある、南側のエリア。
縁側のような場所。
白い玉石を敷き詰めて、飛び石を歩くようにしてあります。
ここは、熱的な中間領域として、
外気と居室の緩衝エリアになっています。
さらに、玉石に蓄熱し、冬の暖房負荷の低減を狙っています。
太陽光を熱に変換するため黒い玉石にするほうが蓄熱効果を大きくできますが、
白いものにしているのは、太陽の光を部屋の奥まで導き入れ、
昼光利用するための配慮です。
いろいろと真面目に考えられているなあ。という印象。
【熱的視点から読み解く先人の知恵】
http://collabo56.blogspot.jp/2015/10/blog-post_28.html
↑この回で書いている、縁側が外気と居室の緩衝エリアになっている、
という考えそのものです。
さらに蓄熱するように、土間+玉石という工夫もされています。
どのくらい効果があるんだろう。
右端の、縦筋の入った乳白色の何かが入った引き戸は、
「エアサンドイッチ」なる薄い透明フィルムを重ねた、
断熱性能の高い建材が使われています。
この引戸、いいなあ。。。作れるかも。
ホームセンターでプラダンを買ってきて、何枚か重ねたものをアクリル板で挟めば、
障子ライクな断熱建具ができる、、かも。
これが、障子のように光を柔らかに通しつつ、
熱はしっかりと遮ってくれます。
窓の前にこれを使うのも良いですし、
この住宅の場合は、南側の中間領域と居室との間にも使われています。
昔からの日本家屋の特徴やパッシブデザイン的要素を現代の建材で解釈しなおした住宅。
という感じでした。
実は他にも、キッチンの奥に見える壁は土壁で、
その裏には潜熱蓄熱材が隠れています。
カネカというメーカーの試作品を使っているとのこと。
ここで猛烈に蓄熱をして室温の安定を狙っています。
実はさらに、土壁の向こう側、水回りが集まった部屋は、
外壁の一番外に潜熱蓄熱材を使い、
西日で暖まった蓄熱材が起こす上昇気流を使って
換気をしようという意欲的な仕掛けが仕込んでありました。
写真は完全に忘れました。
この家の主な要素は以下3つだと思いました。
・中間領域
・蓄熱
・断熱建具
そして、それら全てが、
昔ながらの家の要素の再解釈によるもの、というところ。
高垣邸に取り入れられそうなものは、、、悩む、、、
コラボハウス一級建築士事務所
高垣 吾朗
g-takagaki@collabohouse.info
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