エネマネハウス2015(2)

昨日の続きです。

エネマネハウス2015(1)
http://netsu56.club/2015/10/30/2015-2/

各大学の建物について、考えたこと・思ったことを書きます。
まずは、会場入口に一番近かった山口大学。
「やまぐちさんの風の家」

奇抜な外観から、
家の形状で何かの問題解決をはかったことが伺えます。

中に入ると、けっこうな人。
写真上部にはトップライトがあります。

トップライトから降り注ぐ日射は、夏には強烈な暖房になってしまいますが、
調光フィルムを使い、ナナメから入った光を屈折させつつ反射して、
比較的深めの角度でも太陽の光を跳ね返すようにしていました。

全体の通風イメージは、パンフレットから拝借。
重力換気で熱気を逃がす夏、という感じ。
通風・重力換気を生かすための形状のようです。
断面で通風を検討すると、屋根が連なったこんな形状になるということでしょうか。

南側の(上の図だと左端の)屋根が重なった間の窓は、
陽の光を取り込んで天井に反射させて、
室内を明るくさせるためのしかけになっています。

天井が太陽の反射光で照らされて明るくなっています。
これで照明を使う時間が短くなり、
その分エネルギーを使わずにすみます。

次は蓄熱。
サッシとサッシに挟まれた、
ウチとソトの中間の領域に、
蓄熱のためのブロックを置いています。

昼間、太陽の光で暖められたブロックが、
夜、気温が下がると熱を放射して暖房負荷を下げます。

次、「ダイナミックインシュレーション窓」です。
こんな窓があるの、知りませんでした。

仕組みは以下のとおり。

室内から屋外へ出ていこうとする熱を、
屋外から室内へ流れる気流で捕らえ、室内側へ戻す仕組みです。

三協アルミの説明資料によれば、
熱貫流率はLow-Eトリプル樹脂サッシのクリプトンガス入に匹敵する、らしいです。

んー、これは論文探そう。

今回のエネマネハウスのコンセプトは3つ。
 「エネルギー」
 「ライフ」
 「アジア」

これらに対する「やまぐちさんの風の家」の回答はこんな感じでしょうか。

 エネルギー:
   昼光利用の推進。
   通風・日射遮蔽によって冷房負荷を低減。
   蓄熱・日射取得による暖房負荷低減
   ダイナミックインシュレーション窓による暖房負荷の低減

 ライフ:
   快適さ、過ごしやすさの最大化と立体的な間取りの楽しさ
   快適さを捨てること無くエネルギーを削減する手法を取り入れる

 アジア:
   まずは地域産木材の利用、バイオマス暖房の利用による建材・燃料の地産地消化
   さらにそれを同じ木の文化を持つアジア諸国へ展開

住宅の形状、設備でパッシブデザイン要素を一つ一つしっかりと検討し、
特に「エネルギー」対策に注力している印象でした。

窓と窓に挟まれた中間領域を作ることや、
トップライトの設置角度、
昼光利用のための窓の設置、
そしてダイナミックインシュレーション窓は、
けっこう参考になりました。
面白い。

コラボハウス一級建築士事務所
高垣 吾朗

One Reply to “エネマネハウス2015(2)”

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です