パッシブデザインの要素の一つに、
「日射遮蔽」があります。
直射日光を遮って室内に熱が入り込まないようにすることです。
春、夏、秋の暑い時間帯に効果てきめんです。
夏なんて、常に必須です。
住宅の断熱性能が向上しつつある昨今、
この「日射遮蔽」ができていないと、室内は大変なことになります。
高断熱のため室内の熱は外に逃げにくいです。
「太陽の光」という形で熱が次から次へと室内に入ってきたら、、、
そりゃあもう、灼熱地獄の出来上がりです。
想像してください。
どんどん上がっていく気温。
汗だくの高垣。
効かないエアコン。
ね。辛いでしょう?
実例を挙げてこの家アカン!と言いたいところですがカドも立つので、
今日はぬるい感じでいきます。
皆さん、見たことあるかもしれない某賃貸アパートの写真から。
このシマシマ。
どこかで見たことあると思いますが、あえて口には出さないでください。
さて、このアパート。
この窓が南を向いていたらどうか?
南向きの窓には、『軒・庇』を付けてください!
と以前の投稿でも書きましたが、
この写真を見る限り、無いですね。軒。庇も。
下の図の、右端の状態。
太陽の光、超ウェルカムです。
窓の下の端から軒までの高さの0.3倍、軒を出すことで、
南側の太陽の光を遮ることが出来ます。
某賃貸アパートの写真では、
室外機が入っている「何か」がちょびっと出ているので、
状態としては、上の図の真ん中みたいな感じでしょうか。
軒としては全く足りていないので、
太陽の光、やっぱりとても招き入れちゃってます。
さて、コレじゃ暑いから終わってますねー、と指摘するだけでは芸がないので、
そんな時どうすればよいのか?という話をします。
たいしたことないです。
スダレかよしずを付けてください。
それだけです。
それだけで、劇的に変わります。
よく見ると、1階右端の部屋はスダレかけていますね。
暑かったんだろうと想像します。
さて、戸建住宅でできることは、これから更にいくつかあります。
前述のスダレやよしずに加えて、
・外付けブラインド
・オーニング
・アウターシェード
なんてモノもあります。
かっこ良くて高性能。
室内から外をシッカリと見ることが出来て、
風も確実に通す。
以前ドイツに行った時、あちこちで見ました。
外付けブラインドだらけ。
超おすすめですが、ちょっとお高いです。
興味のある方は、また聞いてください。
見積を取ってみるとよいです。
カフェとか店舗で見かけることが多いかも。
みょ〜んと伸びて、日射を遮ってくれます。
YKKAPだと、こんな商品もあります。
まあまあ安価です。
前述2つの「外付けブラインド」「オーニング」に比べると、かなり、お手頃です。
先日、コラボのスタッフが自宅に設置しました。
その写真がコレです。
外から見た感じ。
シンプルで、サッシに取り付けられるので、外観もそんなに邪魔しません。
室内から見るとこんな感じ。
想像以上に、外が見えます。
風をツーツーに通すわけではないので、
風通しを考えると、設置方法を検討する必要ありです。
http://blog.livedoor.jp/collabohouse/archives/1878679.html
使い心地等は、設計の西村に聞いてみてください。
直射日光を防ぐ方法は、必ず作っておくべきです。
でなければ、灼熱地獄は決定です。
覚えていますか?汗だく高垣ですよ!
デザイン上、軒や庇を作ることが難しければ、
外付けブラインドやアウターシェードを設置することを検討したり、
スダレをつけやすいように窓上にフックを設置しておいたり、
手はいくらでもあります。
費用だって、大小様々に、予算に合わせてできることはいくらでもあるんです。
何もせず、ただ、軒・庇が無いんだよねーあはは。だけは避けてください。
確実に後悔することになります。
もし、軒ゼロな家を提案されてしまった場合は、
日射遮蔽がどれだけ大切か、理解しているかどうかを聞いてみると良いです。
コラボハウスでは既に常識となっているような「日射遮蔽」も、
不勉強な建築関係者にとっては、知らない情報になってしまっていますので。
建築関係者の不勉強がお客さんの不利益になるのは嫌なので、
是非、ココだけは失敗しないよう、注意してください。
快適な家ができますように!
コラボハウス一級建築士事務所
高垣 吾朗
コメント