障子はスゴイかも

障子、まあまあすごいんです。
あんな紙一枚が、意外な断熱効果を生みます。

これまでに何度か、断熱材や窓についての話をしてきました。
家の断熱性能を向上させるためには、

・窓を高性能なものにする
・断熱材をより厚くする
・断熱材の種類を変える

等々、色々な方法があります。

そこに加えて、窓に追加するモノが、性能を左右するんです。
例えば、、、

・障子
・カーテン
・ブラインド
・内窓

今回は、昔ながらの日本的要素「障子」について考えてみます。

冒頭で言ったように、障子はけっこうな断熱効果を発揮します。
あんな紙一枚で?!と思われるかもしれませんが、
窓と障子の間に閉じ込められる空気の層がポイントです。

ここで、モノサシを一つ示します。
『熱貫流率』
熱の伝えやすさを示す値、と思ってください。
これが大きいと、たくさん熱が伝わってしまいます。
これが小さければ、断熱性能が高い、ということになります。

コラボハウスの以前の標準サッシは、樹脂+アルミ複合サッシでした。
そして今は樹脂サッシです。
それぞれの「熱貫流率」はだいたい以下のとおり。

アルミ+樹脂複合サッシのペアガラス: 2.33 [W/㎡・K]
樹脂サッシのペアガラス: 1.9 [W/㎡・K]

さて、これらに紙障子を追加したら、
「熱貫流率」は以下のとおり。

アルミ+樹脂複合サッシのペアガラス: 1.92 [W/㎡・K]
樹脂サッシのペアガラス: 1.61 [W/㎡・K]

簡単なグラフに乗せるとこんな感じ。

複合サッシのペアガラスに紙障子を追加すると、
ワンランク上の樹脂サッシのペアガラスと同等の断熱性能を発揮します!

繰り返しますが、
紙の障子を考える時、紙自体の断熱性能を考えてしまいがちですが、
大切なのは、障子によって窓と障子の間に閉じ込められた「空気」です。
空気が熱を伝えにくくしてくれます。

カーテンは、なかなかそうはいきません。
窓とカーテンの間の空気は、
カーテンの上や下のスキマから出入りしてしまうので、
障子ほどの断熱効果は期待できません。

障子は、ただ「和」な感じになるだけではない。
柔らかな光を部屋に入れてくれる部材、というだけでもない。
明確に断熱効果を発揮する、とても優秀な部材なんです。
昔の人は、もしかしたらその効果を経験的に知っていたのかもしれません。

コラボハウス一級建築士事務所
高垣 吾朗

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