「快適な家」に住みたいです。
冬、どの部屋も寒くない家がいいです。
夏、どの部屋も涼しい家がいいです。
それなら、高断熱・高気密の家にしましょう!
そうすれば、家中が快適になります!
……そりゃそうなんだろうけども。
快適な家ってどんな家でしょう。
体感温度がちょうどいい家、とでもしましょうか。
イギリスの建築研究所による住宅の健康安全性の評価システムによると、
21℃の気温が最も健康リスクが小さくなる、とのことです。
体感温度は、周りの空気の温度と、周囲の壁の温度を足して割ったものです。
これらから、体感温度を 21℃ にするために必要なのは、
21℃ の室温と、21℃ の壁の温度、ということが分かります。
室温が28℃で壁が14℃でも体感温度は21℃になりますが、
ムラが多く快適とは言えなくなります。
ですから、理想的な21℃の体感を得ることができる、という意味で、
21℃ の室温と、21℃ の壁の温度を理想とします。
さて、この理想を実現するためにできることは何でしょうか?
1)「壁の温度 = 室温」になるレベルまで断熱性能を高める。
少ないエネルギーで壁と室温を21℃に保つ。
2)壁床天井全てにホットカーペットでも貼り付けて、
壁と室温を21℃に保つ。
断熱とかはとりあえず無視。
(2)を馬鹿げていると思うかもしれませんが、実現可能です。
とにかくエネルギーを消費すれば、快適な空間を作ることはできます。
なんでこんな話をするかといえば、
正直、悩んでいるからです。
高断熱高気密の家が良いものだとして(高垣はそう信じていますが)、
その良さはどうやったら伝わるのか。
実際に高断熱高気密の家を体感してもらえば伝わるのか?
いや、上記の(2)をしてしまえば、別に高断熱高気密じゃなくても、
「この家は快適だ」と思ってもらうことはできます。
変な話、真冬に見学会を開いて、
お客さんが到着する直前まで暖房をガンガンに炊いて部屋を暖めて、
お客さんが到着したら暖房は切ったうえで、
「無暖房でもこんなに暖かいです」
なーんて言えば、冬でも快適な家っぽさを演出(この場合はウソ、ですが)
することもできます。
んー、非常に詐欺的ですね。腹が立ちます。
その、快適な環境を実現するために、どのくらいのエネルギーが必要なのか?
どのくらいの光熱費で、その快適環境を実現しているのか?
どのくらいのお金を払って快適環境をゲットできるのか?
そこが、大きな差がでるトコロではないか?と思います。
高性能な住宅の良さは、とても理性的なモノではないか?
「真冬、暖房をしなくても最低気温が15℃です」
→ 光熱費が安そうです。
「真冬、家中全部を21℃に保ったとき、一ヶ月の光熱費は10,000円でした」
→ うん。これも、安くて快適感があります。
(実際この金額はかなり安いです)
どんな言葉が伝わるのか。
日々悩ましいです。
コラボハウス一級建築士事務所
高垣 吾朗
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