真夏のダウンコート?(つづき)

かなり間が開いてしまいました。

前々回の、高断熱は真夏のダウンコートにはならない、という話のうち、
(1)の通風に続いて(2)断熱、(3)日射遮蔽の説明をします。

(2)断熱
 熱が伝わる速度を遅くして、室温の変化を小さくする。

断熱性能が高い、とは、熱の伝わる速度が遅い、ということです。
熱の伝わる速度が遅い材料で家を覆って、
熱が室内へ侵入してきたり、
室内の熱が外へ逃げ出したりすることを防ぎます。

夏にエアコンを動かす、ということは、
ヒートポンプを使って室内の熱を外にどんどん逃がしている、ということです。
がんばって熱を外に運んで室内を冷やそうとしているとき、
この「断熱」が弱いと、
室内に熱が漏れ入ってきて、
いつまでたっても冷えないことになります。

断熱性能が低いと、熱をザルですくうようなことになってしまいます。

 3)日射遮蔽
 強大な太陽の力を制御して、味方につけます。

夏、部屋の温度はできるだけ上げたくないので、
直射日光が室内に入ってこないように、軒・庇を出して遮ります。
冬はできるだけ太陽光を室内に取り込み、室温の上昇を狙います。
夏至の南中高度はだいたい80°。
冬至の南中高度はおよそ30°。

気温の高い6月~9月は太陽光を防ぎ、
気温の低い10月~3月は太陽を取り込みたいです。
そのために最適な軒・庇の出は、
下の図の高さ H に対して、 0.3H となります。


と数字を出しても仕方ないですが、
だいたいそのくらい軒・庇が出ていないと、夏に辛い事になってしまいます。
断熱性能の高い家では、特に注意しないといけません。
日射として入ってきた熱が、高い断熱性能でしっかりと捕えられ、
驚くべき室温にまで上がってしまうことになってしまいます。

以上、通風、断熱、日射遮蔽の話。

今や、高気密、高断熱の家を作るのは簡単なことです。
特殊な作り方をする必要はなく、
びっくりするほどお金がかかるわけでもなく、
真面目に家を作れば自ずと高気密・高断熱な家になります。

そして、高気密・高断熱な家では、
通風と日射遮蔽の理屈を十分理解し住宅に反映させないと、
夏には風が抜けず太陽の光がガンガン入ってくる、
住みにくい家になってしまいます。

高い断熱性能はもはや当然として、
通風、日射を十分考慮した間取りを作ることが、
快適で省エネな家を作る必須条件です。

コラボハウス一級建築士事務所
高垣 吾朗

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