断熱塗料のウソ(2)

前回「断熱塗料のウソ(1)」に続いて「遮熱」と「断熱」の話。

早速ですが、ここで、「熱」について思いっきり原点に戻ります。

熱の伝わり方には3種類あります。
「伝導」、「対流」、「放射」です。

「伝導」
 物質の移動を伴わずに、高温側から低温側へ熱が伝わること



「対流」
 空気の気温差による密度の違いで空気が移動すること



「放射」
 電磁波の形で熱が伝わること。例えば光や、赤外線によって熱が伝わること。

ここで、夏と冬の「断熱」「遮熱」の効果について、考えてみます。




夏は、強い日射のため「放射」での熱が非常に大きいです。
色の薄い服を着たり、日傘を挿したり、日陰に入ったりすると涼しく感じるのも、
太陽による「放射」の熱を防いでいるからです。
こんなときは「遮熱塗料」の効果があると言えます。

一方、外気温が35℃で室温が28℃であれば、内外の気温差は7℃となり、
気温差が小さいと「伝導」で伝わる熱量は冬に比べ小さくなります。

冬は、外気温が0℃で室温が24℃であれば、内外の気温差は24℃。
夏とは比べ物にならない気温差です。
すると、家から「伝導」で外に逃げている熱の量も多くなります。
これを減らすために断熱材をしっかりと入れるわけです。
人も、ダウンコートのように断熱性の高い服を着て体温を保とうとします。

太陽による「放射」は、できれば取り込みたいところですが、
夏の膨大な熱量の事を考えると、反射しておいた方が無難に思います。

いずれにしても、熱の伝わり方を正しく理解し、対処することが重要です。

前回からの話をまとめると、
 ・ 白色以外は遮熱性能のある塗料を採用した方が良い
 ・ 一年を通して、遮熱も断熱もしっかりと考慮すべき

『断熱塗料を塗れば遮熱も断熱も完璧です!』
なーんて裏ワザ的な旨い話はそうそう無いものです。
「おぉ!なんだか分からないけどすごくお得だ!」と思ったら、
怪しい話かもしれません。
一時停止して考えてみましょう。
そして気軽にお問い合わせください。
高垣がお手伝いできると思います。

コラボハウス一級建築士事務所
高垣 吾朗
g-takagaki@collabohouse.info

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