断熱塗料のウソ(1)

お客さまに聞かれたり、スタッフに聞かれたりと、
何度か話題に出たので取り上げます。

「断熱塗料」

ガ○ナ、ス○ンオフ等々…
類似品がいろいろあるようです。

はじめに言っておきます。
これら「断熱塗料」に断熱性能はほとんど無いと思ってください。
「断熱」というのは嘘です。

これらは断熱塗料ではなく、遮熱塗料です。
光(日射)を反射し、対象の温度が上がるのを防ぐ効果があります。
例えて言えば鏡みたいなものです。

これら塗料を塗っていない状態と塗った状態では、
塗った方が確実に温度上昇を防げます。
それは本当です。
遮熱の機能は確かにあります。
しかし一方で、塗料の層はあまりに薄いため、「断熱」効果は無いと言ってよいです。
熱の伝わりを断つ(遅くさせる)機能は、持っていません。

おまけでもう一つ。

色の濃淡と遮熱性能にはどんな関係があるのか?
少し掘り下げます。
※気になる人は気になるはず

以下のグラフを見てください。

「省エネ・エコ住宅 設計究極マニュアル 野池政宏 編」より抜粋

遮熱塗料の白 : 赤線
一般塗料の白 : 薄い赤線

遮熱塗料の黒 : 黒線
一般塗料の黒 : 灰色の線



縦軸が、どれだけ反射するかを示していて、
横軸が、光の波長を示しています。

塗料の色が白の場合、
遮熱塗料とそうでない塗料では光の反射の仕方にほとんど差が無い事が分かります。
色が白だと、遮熱塗料を使用する意味が無い、という事になります。

一方、塗料の色が黒の場合、
遮熱塗料と一般塗料は、波長が700~2000nmの間で大きな差があります。
遮熱塗料がしっかりと光を反射しています。
色が黒だと、遮熱塗料を使用する意味があることを示しています。

まとめると…
濃い色の場合は「遮熱塗料」を使用し、
薄い色の場合(特に白色)は「一般塗料」でも問題ない、ということです。

込み入った内容になった感がありますが、
もっと噛み砕いた内容を知りたい方は、ぜひ高垣まで。

話は次回「断熱塗料のウソ(2)」に続きます。

コラボハウス一級建築士事務所
高垣 吾朗
g-takagaki@collabohouse.info

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